モト・グッツィは1921年に設立された、イタリア・ロンバルディア州、コモ湖畔の村マンデッロ・デル・ラーリオに所在するイタリア最古のオートバイメーカーである。
モト・グッツィが製造・市販するオートバイ第二次世界大戦を挟んで大きく二種類に分けられる。第二次世界大戦前は空冷水平単気筒エンジンだったが戦後は一貫して空冷縦置き90°Vツインエンジンとシャフトドライブを採用しており、同レイアウトでネイキッド、クルーザー、デュアルパーパス、スポーツツアラー、スーパースポーツまで、様々なタイプの車種をラインナップしている。
他のイタリアメーカーがレース活動やスポーツモデルの開発に重点をおくなかで、モト・グッツィはツーリングモデルを主軸とした製品を作り続けています。
古き良き時代を思わせるイタリアンカフェレーサー
モトグッツイ V7 Cafe Classic
V7カフェクラッシックは、先に発売されていたV7クラッシックをベースとし、1972年に発売されたV7スポーツのスタイルを現在に復活させたモデルだ。そのルーツとなったV7スポーツは、ツアラー的な要素が大きかったV7スペシャルのエンジンをチューンし、当時最新のクロモリフレームに搭載。その性能は高く、一般ライダーでも時速200km/hを実現できる車両として、高い評価を得ていた。
さて、そんなバッグボーンを持つV7カフェクラッシックは、軽い前傾となる独特な形状のセパレートハンドルや、やや前方に置かれたステップ、コンパクトなタンク形状、70年代当時を思わせるメーターまわりと、ライポジから車両にまたがったときに視界に入る世界までもこだわって作り込まれている。
搭載するV型2気筒744cc空冷OHVエンジンは、出力の数値だけで判断してしまうと非力に感じてしまうが、飽きのこない面白さに溢れている。アイドリングから3600rpmまでは鼓動感を楽しむことができ、それを超えていくと滑らかなフィーリングに変化する。どんなシュチエーションでもライダーをいたずらに刺激しない味付けは、どこまでも走り続けたくなるほどだ。またハンドリングが秀逸で、小さく回り込んだ峠道でも、思い通りのラインで走ることができる。さらに、シャフトドライブ独特のアクセルを開けると片側に傾く癖も無いに等しい。
現在に蘇えったカフェクラッシックは、70年代を彷彿とさせるスタイルだけで選んでも決して裏切らない、走る楽しさを持っている。 |